これはもう、現物を観に行かなければ\(◎o◎)/!

毎日新聞2018年6月15日 20時34分(最終更新 6月15日 21時13分)
広島県立歴史博物館(福山市)は15日、14世紀中ごろ(室町時代初期)に描かれたとみられる日本地図を確認したと発表した。本州から九州までが記され、全域が残った地図では最古級という。同館は「地図の記載に鎌倉、室町時代の過渡的な要素が含まれ、日本地図の変遷をたどる上で重要」としている。
現存する最古の日本地図は京都・仁和寺に残る「日本図」(1305年)とされるが、西日本が欠けていた。全域が描かれたものは、これまで「拾芥抄(しゅうがいしょう)」(1548年)が最古とされていた。
今回、新たに確認されたのは「日本扶桑(ふそう)国之図」(縦122センチ、横57センチ)。「扶桑」は古代の日本の異称で、地図は山城国(現在の京都府南部)を中央にして九州を上、東北を下にし、国内の旧68カ国の位置が丸みを帯びた形で描かれ、名称も記されている。九州の近くには、当時の沖縄の地名「琉球」を示す「龍及(りゅうきゅう)」の文字もあった。地図欄外には国名と郡名、人口や田畑の面積なども書かれている。
さらに奈良時代の高僧・行基(ぎょうき)の名もあった。丸囲みに近い地図の描き方は、行基が原型を作ったとされ、江戸時代まで複製された「行基図」の一種とみられるという。
博物館の久下(くげ)実・主任学芸員によると、沖縄を龍及と表現する鎌倉時代の特徴や、港町の地名が多く記される室町時代の特徴を備えており、さらに書体の古さや紙質の分析も加味し、作製年代を推定した。
地図は福山市出身の古地図収集家、守屋寿(ひさし)さん(東京都)が収集し、博物館に寄託した。7月19日から9月24日まで同館で公開される。【松井勇人】

【参考】仁和寺の日本図・・・安芸国あたりから西方が欠損